web サーバー
Web ページは、皆さんのパソコンの中に作っただけでは、インターネットに公開できません。皆さんのパソコンは使うときにしか電源を入れません。最近の環境では、常時接続といって電源が入っている間はネットワークに常につながっていることが多いですが、セキュリティやアドレス配分などの観点から、外部から皆さんのパソコンのファイルを直接見ることはできないようになっていることが多いです。皆さんの作った Web ページを、全世界から 24 時間いつでも見られるようにするには、24 時間営業で外部からアクセス可能な別のコンピュータに必要なファイルを送って、置いておいてもらう必要があります。
この 24 時間営業(稼働)でインターネットにも常に接続している、Web の公開を目的としたコンピュータを「Web サーバー」と言います。Web サーバーは決められた URL (Web の世界のアドレス。あの「http://…」というやつです)を持っていて、その URL で全世界からアクセスを受け付けることができます。
必要なファイルをWeb サーバーに送って、決められた場所に置くことを「アップロード」と言います。
「サイト」の考え方
「サイト(site)」とはもともと、「敷地」とか「用地」などの意味ですが、「Web サイト」は「ひとまとまりの web ページと、必要な画像などのデータファイル、およびフォルダなどの集合」を指します。
これから皆さんが web ページを作ると、ページの中に画像がある場合には、画像は別なファイルとして保存されます。web ページ本体に画像データは含まれません。また、web ページが複数になると、通常互いに「ハイパーリンク」(もしくは略して「リンク」)を張ることになります。リンクした別の自作ページにも、ページ本体の HTML ファイルの他に画像などのデータファイルが必要です。
さらに、もっとページが増えると、ファイルがどんどん増えていって収拾がつかなくなります。フォルダを作ってファイルを分類し、整理することになります。
実際に web ページを作るときには、フォルダを新規に作ってそれを「web サイトのフォルダ」とし、全てのページ、画像などのデータ、フォルダなどはその「web サイトのフォルダ」の中に作ります。Web サーバーには、この「web サイトのフォルダ」の中身を全て転送します。フォルダの階層構造もすべてそのまま転送します。そのことによって、たくさんのファイルをうまく整理しながら、ファイル同士の依存関係 (このページには画像が含まれて、その画像ファイルはどこのフォルダにある、など) を崩さずに web サーバーに送ることができます。
この講義では使いませんが、世の中には多くの web 制作支援ソフトウェアがあります。これらのソフトウェアには、この「web サイト」をうまく取り扱う機能を備えています。フォルダの階層構造を保ったまま web サーバーに転送する機能、サイト内のファイルの名前を変更すると、そのファイルを参照している他のファイル内の記述を全て矛盾しないように自動的に書き換える機能、変更があったファイルだけをサーバーに転送する機能、ページのひな形を登録して多数のページを統一的なデザインで生成する機能、などなど、多岐にわたります。