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解説動画
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解説内容
Excelで、強力な「数式」を利用するにあたって、基本となる大事な考え方、「キモ(肝)」と呼ばれる考え方が2つほどあるのですね。
それは、「セルの参照」のしくみ、と、それから「オートフィル」または「数式のコピー&貼り付け」、この2つです。
これらは、応用力の基礎となりますので、ぜひしっかり身につけてください。
ではまず、Excelの「参照」のしくみについて、実際にExcelを操作しながら、説明したいと思います。
「参照」というのは、数式の最も基本的な機能の一つでして、あるセルの内容をそのまま持ってくる、ということです。
これは、値を「コピー&貼り付け」しても、同じことができるのでないか、と、思うかもしれませんが、
実は全然違います。それをちょっとやってみましょう。
まず、こちらのセル、Dの6(D6)、ここに、数式を入力する要領で、「イコール」を入れます。
そして、このBの4(B4)のセル、123の入っているBの4(B4)のセルを、クリックします。
そうすると、このDの6(D6)のセルにはBの4 (B4) というふうに入りました。このままエンターを押します。
そうすると、D6のセルには、「=B4」と入りまして、これは「B4の中身を、ここに入れてください」という意味ですね。
ですから今、B4 には 123 が入っていますから、D6にも123が入ります。
これは見かけ(上)ですね、このB4のセルをコピーしたのではないか、と。(コピーしたのと)同じように見えます。
比べるために、D4のセル、ここにはB4をコピー&貼り付けしてみましょう。
まず、B4をクリックして選択します。マウスの右ボタンを用いて、このメニューの中から「コピー」を選びます。
そして、今度は貼り付ける先のD4をクリックして選び、マウスの右ボタンを押して、「貼り付け」とやります。
こうすることによって、コピー&貼り付けができました。
この結果、上側のD4と、下のD6は、同じく123になって、まったく同じように見えるわけなのですが、
上のほうは「値のコピー&貼り付け」をしましたので、「現在」の「値」をもってきて貼り付けてあるわけですね。
貼り付けが終わったら、元のB4との関係は切れてしまいます。
しかし下側のD6のところは、常に、B4の中を見て、そのときそのときの値を必ず持ってくるわけです。
ですから、もしB4の値が変化した場合には、即座に、このD6の方も変化します。
それをちょっとやってみましょう。
まず、B4をダブルクリックしまして、今、123が入っていますから、これを、値を変化させてみます。
例えば、789、と入れてみます。これを確定するために、エンターを押しますが、
押したとたんに、下側のD6の方は、789に変化しました。
しかし、「値のコピー&貼り付け」をした上のD4の方は、先ほどの123のままですね。
このような違いがあるわけです。
さらに、複数のセルの参照同士で、例えば足し算をしたり、引き算をしたり、という計算もできるのですね。
それをちょっとここでやってみましょう。
D7のところをダブルクリックして、イコール(=)を入れます。
そして、何度か例で出していますけれども、B4をクリック、そしてキーボードから「+」を入力します。
で、その下の456の入っているB5をクリック、
こういうふうにすることによって、
B4に入っている値と、B5に入っている値を、足し算して、D7に入れなさい、という意味になるのですね。
エンターをいれてやると、計算されます。いま1245になりました。
で、これも、常に、元のところのセルを見ています。
では、B4のところを先ほどの、最初の123に戻してみましょう。
123、そしてエンター、とやると、この「参照」を使っていた2つのセルは、瞬時に値が変わります。
足し算したものも、579に瞬時に変わりましたね。
こういうふうに、参照を使うと、元のところと常につながっていて、
元のところの値が変化したら、すぐさま、その変化が反映される、という機能なのです。
2番目の、Excelの非常に強力なしかけとして、「オートフィル」または「数式のコピー&貼り付け」、について説明します。
まず例題としてここに、AさんBさん二人の、売上表のようなデータがあるとします。
この、1月2月3月、それぞれについて、AさんとBさんの数字を合計していくことにしましょう。
まず最初のところは、いままでと同じように、数式を入れていきます。
イコールを入力して、123のセル、キーボードで「+」、そして456のセルをクリックして、エンターキーを押す、
これで合計が一つできましたね。
2月の分もやらなければなりません。これと同じやり方をすると、まったく同じようにイコールを入れて、
789のセルをクリックして、「+」を押して、123をクリックしてエンター。
こういうふうにやっていってもできるのですけれども、
実は、「オートフィル」という機能を使うと、もっと簡単にできます。
それをやるには、最初に入れた数式のところをクリックしまして、右下の、
黒い四角のあるところにカーソルを合わせます。
そうすると、黒い、矢印のない十字のカーソルになったら、そこをマウスの左ボタンで押さえて、
今の場合には右側に向かって、ずーーっとドラッグして引っ張ります。
5月のところになったら、マウスのボタンをはなします。
こういうふうにすることによって、ひとつひとつ入れなくても、
3月分4月分5月分について正しく合計がされている、ということがわかるかと思います。
では、どうして、このオートフィルを使うと、このようにうまく、すべての部分が合計されているのか、
オートフィルで入れられたセルの中身を見てみましょう。
まず3月のところ、ここは、ダブルクリックしてみますと、グラフィカルに、参照関係が表示されます。
上2つをきちんと合計していますね。これを一回エンターを押して確定します。
4月のところもダブルクリックをすると、やはり、上2つをきちんと合計しています。
このように、先ほど右に向かって引っ張っていったときに、参照する先も一緒に右に動いていっている、
ということが、おわかりいただけるかと思います。
すなわち、オートフィルを使って、いまの場合ですと右側に、ドラッグすると、
参照関係、それぞれどのセルを見ているか、という、相対的な位置関係を保ったまま、
いまの場合右側に、コピーされていく、そういう仕組みになっているのですね。
実は、このオートフィルによって行われた、相対的な位置関係を保った数式のコピーというのは、
この数式の入ったセルの、コピー&貼り付けでも、同じように行うことができるのです。
ちょっとそれを試してみましょう。
試してみるために、まず2月から5月までの合計のところを選択して一回空っぽにします。
「編集」メニューの「クリア」の「数式と値」ですね。これで、空っぽにします。
で、1月の合計のところをクリックして、これを、マウスの右ボタンで「コピー」します。
これは、579をコピーしたのではないのですね。数式を、コピーした。
これを今度は、2月の合計のところに、貼り付けてみます。
2月の合計のところをクリックして、マウスの右メニュー、そして「貼り付け」。
とやると、579がコピーされるのではなくて、相対的な位置関係を保った数式がコピーされたために、
912という正しい値が入っています。
これと同じように今度は、3月から5月までのところを、複数、選択して、
マウスの右ボタンを押して、そして「貼り付け」、というふうにやると、
この3つのセルにそれぞれ、やはり、相対的な参照の位置関係を保ったまま、数式が、コピーされる。
その結果、3月はちゃんと1245になりますし、4月は46、5月は656というふうに、
きちんと計算をしてくれるように、数式がコピーされる、というふうになるわけです。
いままで説明した、「参照」のしくみと、「オートフィル」の動作、
これをうまく活用すると、数式の入力が大幅にラクになるのですね。
この、参照とオートフィルは比較的少ないルールを一貫して使っているものなので、
頭を使って考えると、実にいろいろなことができます。
そして驚くほどたくさんの数式を、あっというまに入れて、
たくさんの計算ができあがってしまったりするので、みなさんもいろいろ工夫をして、
試してみてください。