エクセル (Excel) での絶対参照のしくみ (6分05秒)

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解説動画

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解説内容

Excelで用いられる参照には、「相対参照」=普通の参照、と、
それから「絶対参照」という2つのものがあります。
まず、いままで普通におこなってきた「参照」というのは「相対参照」でして、
「オートフィル」または「数式のコピー&貼り付け」の際に、
セル同士の相対的な位置関係が保たれて、フィルされる、もしくは貼り付けられる、と、そういうものですね。
この「相対的な位置関係」というのは、たとえば、
「同じ行の2つ左のセル」などというふうに、現在のセルの位置から見て、どれだけ差があるか、ということです。
一方、A3 などという、そういう表記は、絶対的な指定でして、これは「絶対アドレス」と書いてありますが、
これは変化していくことになります。

実際のExcelの画面で、普通の参照、すなわち相対参照、これを入力する場合には、
いままでと同じように、たとえばこのD3のセルに入れるとしますと、
D3のセルをクリック、半角のイコールを入れて、例えばこのA3のセルをクリックすると、
このように「=A3」と入るのでしたね。
これは、A3というふうに見えていますけれども、
実際に、Excelの内部では、「この同じ行の、3つ左側のセルを参照しなさい」
というふうに、このD3のセルから見て、どれだけ違う位置にあるか、ということが入力されているわけです。
ではこの相対参照で、数式が入れられたセルを、オートフィルで伸ばしていったときに、
どのようになっていくかを、具体的な画面の上に、ちょっと書き込みをしてわかりやすくしたこの画面で、見てみましょう。
横に伸ばしていった場合は、このように変化します。

もう一つの参照の形式である「絶対参照」の場合には、
ここに説明されているような、形になります。すなわち、
「オートフィル」または「数式のコピー&貼り付け」の際に、
特定のセルをかならず、常に、参照するように指定するやり方のことなんですね。
セルの絶対アドレス、たとえば A3 などというものは、変化しない。
どこにコピーして貼り付けても、変化しません。
セル同士の相対的な位置関係は、そうしますと、片方が動かないわけですから、変化していくということになります。

実際にに絶対参照で、参照を入力する場合には、たとえばこのD3のセルをクリックして、
イコールを入れます。そしてA3をクリック。ここまでは同じですね。
で、この次に、「F4」(キー)を一回押します。
こうしますと、Aの前に$、3の前に$、がついて、このような参照が入力されます。
これが絶対参照ですね。

このようにして入力された、この「$A$3」という表現は、
実は、縦も横も、すなわち行も列も、絶対参照にしてください、という、そういう表現ですね。
すなわち縦にも横にも動かなくて固定される、ということです。
これをさきほどと同じように、このシミュレーションの画面で
オートフィルで動かしていったときに、どのようになっていくか、見てみましょう。
横に動かしてみます。
このように、縦にオートフィルで動かしても、横にフィルしていっても、
全く、参照している位置が変わらない、これが、「$A$3」というタイプの絶対参照です。

実は、行または列だけを固定する、ということもできるのですね。
そのやり方をこれから説明をします。
実はこの「$」の文字の後の文字、すなわち例えば、「$A」と書いてあったらAが固定されるのですね。
「$3」と書いてあったら 3 が固定される、ので、
片方にだけ $ をつけると、その後の文字だけが動かなくなる、というふうな、指定のしかたができます。

実際の入力のしかたですが、
入れたいセルをクリック、そして半角イコール、そして参照先のセルをクリック、
そして、F4キーを一回押すと、このように縦も横も(固定されるの)ですが、
もう一回押してやると、数字の前にだけ$がついたもの、
そしてまたもう一回押すとこんどは、アルファベットの前だけに$がついたもの、
さらにもう一回押すと、最初のものに戻る、というふうに、
F4を押すごとに、順番に、それぞれのパターンが自動的に入力されるようになっています。

それでは、前と同じようなシミュレーションの画面で動きを見ていってみましょう。
まず最初に、3の前だけ$がついている、すなわち3だけ固定する、という場合に、
どのように動くか見てみましょう。
横の場合は次のようになります。

今度は逆に、アルファベットの前にだけ$がついているときの動きを見てみましょう。

以上見てきましたように、$の文字をどこにつけるかによって、
オートフィルや、数式のコピー&貼り付けをしたときに、どのように参照が変わっていくか、
ということを、コントロールできる、ということですね。
これをうまく活用して、効率よく数式を入れていくことが、工夫次第で、できることになります。
先ほど申し上げましたけれども、このいろいろなパターンは F4 キーを活用して、
このように順番に、効率よく入れることができますので、これはぜひ活用してください。